仕事を一生懸命にやってきたその姿を見て、単純にすごいなって、
そう尊敬している人がいます。

仕事っていうのは、不思議なもので、
出来る事が増えてくると、
それが当たり前になってきます。
いわゆる出来て当たり前です。

出来る事がどんどん増えていく、
すると、責任も増えてくる。
出来る人には、仕事を頼みたくなるじゃないですか。

「あの人に任せていれば安心だ。」って、
そういう安心感をもって仕事がしたいから。
そして、お客様にも喜んでもらいから当然です。

でも、出来る人の仕事量が増えてくると、
「あの人がやってくれるから、自分はやらなくていいや。」
「あの人の方ができるし、自分がやっても…。」
って思う人が出てきます。

すると、あの人に任せておけばいいやって、
助けようとしなくなる。感謝もしなくなる。
なんてことが起きる事があります。

でも、出来る人というのは、もしかしたら、
”出来てしまう”のかもしれない。
”好きでやっているわけではないかもしれない”のです。

仕事だから、しょうがないって割り切ろうとして、
スキルアップだと、自分の為だとおもって、
歯を食いしばって仕事をするその姿を、
仕事ができる人は、他の人になかなか見せません。
ましてや、苦しいという姿も、
泣いている姿すら見せてたくなくて、決して見せようとしないのです。

でも、こころの中ではストレスがたまってきて、
自分でもわからないほど、どうしようもなく、
こころの奥で、こころのバケツに確実に、
それは音を立てて溜まっていきます。

「なんで、自分だけ。」
「なんであいつは仕事をしないんだ。」
「飲みに行こうと誘われても、そんな暇もないんだよ!わからないの!」

喉元まで来るその言葉を何度も飲み込んで仕事をする。
でも、その姿を、その言葉を多くの人は知らない。

こんなに頑張っても、頑張っても、
誰も認めてくれない。
だって、出来て当然だと思われているから。

いつも一生懸命に、精一杯やってきた!
自分の人生の時間を捧げてきた!
やりかたったこと、出かけたかったところ!
家族や友人と、一緒に出掛けたかったところもいっぱいあった!
でも、いかなかった。行けなかった!

それでもいいと思っていた!
なかなか今でもわりきれないけど、
そう思うしかなかった!

だって、自分で選んだ道だから。
仕事が好きだったから、
そこで働く人たちが好きだったから!
やりがいがあったから!

でも、こんなに頑張っても、誰にも
”大変だったよね。いっつもありがとう”
って、たった一言すらかけてもらえない。
目を見てきちんと心を込めてありがとうと言われない。

そりゃぁ、”ありがとう”ってお礼を言われるためにやってるわけじゃない。

だけど、ありがとうのその一言で、救われる心があるのです。
たった一言で人生が変わることや、
これまでのことが報われた…、って、
やってきてよかったな…、って思えることがあるんです。

そのたった一言が、どうしようもなく、
こころに響く、それまで肩肘張って、
なんとか頑張ってきてたこころに、
どうしようもなく響く時があるんです。

その一言に、思わず涙が込み上げて来て、
なんとも言えない気持ちが、こころの奥底から湧きだしてきて、
その心の底から、あったかいものが身体全身を駆け巡り、
気持がふっと楽になる瞬間があるんです。

頑張っているひとほど、
責任が重い人ほど、
見えない、見せない苦労が、重荷があります。

いつも支えてくれる、
一生懸命にやってくれる人にほど、
当たり前になって、
頼ってしまいがちだけど、
感謝や、たった一言、こころ込めて、
”ありがとう”って、言える自分でいたいですね。

そして、誰にも感謝もありがとうも言われないのなら、
そんなに自分にそっと、”いつもありがとう”って、
呟いてみてください。

いつも傍で離れずに見守ってくれていたのは、
いつだって、家族や友人だけでなくて、あなた自身もそうなんですから。

いつも本当に頑張っているよね。いつもありがとう。
そして、お疲れさまです。

いつか、その頑張りが報われる日が来る日を祈って。
いつか、その頑張りを、あなたを見てくれる人が表れることを祈って。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

メルマガ:この心に雨が降ったら読むセラピー

今あなたの心に雨が降っていても大丈夫。心はきっと晴れる。

※購読解除はいつでも可能です

■ブログランキングに参加しています!
ポチっと押して頂けると、とっても励みになり、嬉しいです(^-^)
心理学 ブログランキングへ