フォーカシングとは?

こころ音では、フォーカシングという技法も取り入れています。
このフォーカシングとは、ロジャースの弟子である、ジェンドリンによって体系化された心理療法です。

私たちが、まだ言葉にすることはできないけれど、意識を向ければ感じられる経験(体験過程)を取り扱い、その体験過程に意識を傾けた際に感じられる感覚と丁寧に付き合っていく過程のことをフォーカシングといいます。

体験過程とは、「なんかこう…。なんていうかな…。」というように、言葉には出来ないけれど意識を向ければ感じられる経験のことです。その体験過程に意識を傾けた時に、感じられる感覚のことをフェルトセンスといいます。

「こう胸が詰まるというか、重いものがつかえているような感じ。」といったような、そんな感覚のことをフェルトセンスといいます。

フォーカシングでは、あなたが自分のフェルトセンスを感じ、寄り添い、言葉にすることであなたが自分の気持ちに気づき、時に受け入れ、自分の人生を生きていけるように援助します。

そして、このフォーカシングですが、一人でもできますのでちょっと簡単ではありますが、やり方を書いておきますね。

① 最近気になっていることを思い浮かべる。

意識を自分の内面に向けて、「最近あった気になること」や「悩んでいること」を思い浮かべる。
※いくつ思い浮かべても構いませんが、程度の軽いものにしましょう。

② 思い浮かべたものの中から一つ選ぶ。

それを詳しく思い出す。
その時どんなことをしていましたか?

その時何が見えましたか? 誰と一緒にいたでしょうか?

詳しく思い出すと、どんな気分になりますか?

体の内側にどんな感覚を感じますか?

十分にその場面を思い出す事が出来たら、リラックスできる姿勢になって、
深呼吸を3回ほどして、リラックスしていきましょう。

リラックスが出来たら、先ほど思い出した気になっているシーンや悩んでいるシーンを頭の中にイメージして下さい。
イメージが出来たら、体の内側に意識を傾けて、体がどんな感じがするのかを感じて下さい。

③ その感覚や気分に意識を傾けて、その何となく言葉にしてみる

例:「胸の辺りが苦しいような…。」「喉が詰まるような…。」「お腹の辺りがムカムカというか…。」

といったように、その何となくの感覚(フェルトセンス)を言葉にしてみましょう。
・形があるとしたらどんな形でしょう?
・重さがあるとしたら軽いでしょうか?思いでしょうか?
・何か色はありそうでしょうか?
・温かい感じがするでしょうか?冷たい感じがするでしょうか?
・大きさはどうでしょうか?大きいですか?小さいですか?
それぞれ言葉にして感じてみましょう。

④ 言葉にした表現が自分にしっくりくるか吟味する。

例:「いや、ぎゅっと掴まれているというよりは、締め付けられてるような…。」

といったように、ご自分の感覚にピッタリくる言葉を探してください。

⑤ そのフェルトセンスを丁寧に感じ、認める。

もし、それを感じるのに抵抗がなければそのフェルトセンス(何となくの感覚)を丁寧に感じます。

そして「こんにちは。」と声を掛けてみましょう。

「ずっとそこにいたんだね。あなたがそこいることをわかっていたよ。」

と声を掛けてみましょう。何か感覚の変化を感じるかも知れません。

⑥ フェルトセンス(何となくの感覚)からのメッセージを受け取る。

そのフェルトセンスに聞いてみましょう。

「そんな風に、私に感じさせてくれることで何を教えようとしてくれるの?」

「そんな気持ちになることで、私に何が得られるの?」

答えはイメージとして返ってくるかもしれませんし、

言葉として返ってくるかもしれませんし、感覚として返ってくるかもしれません。

じっくり返事を待ちます。返事が来たら「ありがとう。」と伝えて下さい。
※返事が返ってこない場合もありますので、その場合はステップ7へは行かずに、フェルトセンスに「ありがとう。また来るね。」と伝えて終えて下さい。

⑦フェルトセンスに解決像したらどんな感じになるかを聞く。

「もし、この問題が解決したとしたらどんな感覚になるのか教えて。」

すると、ふっと軽くなる感じがするかもしれませんし、温かい感じがするかもしれません。

最後に、再度「ありがとう」と伝えて、今この瞬間に返って来て下さい。

注意事項

少しでも気持ちが悪いとか、苦しくなったりしたらフェルトセンス(何となくの感覚)に「また来るね。」といって、フォーカシングを中断して下さいね。

もし、もっと深く取り組んでみたいという方がいたらお気軽にご相談くださいね。