過去の未完了を完了させる。

こんにちは!野川です。

カウンセリングをするようになって、

いろんな人の人生に関わる瞬間が増えてきました。

関わらせて頂く度に感じることは、

みんな一生懸命、

精一杯自分になろうと、

自分を生きようとしていることです。

その姿を見て、

最近は力をもらっています。
さて、今日のセラピーはこちら。

過去の未完了を完了させる。

その胸の苦しみに手を置いてもらい、

その胸の苦しい感覚をたどり、

昔へとさかのぼっていく。
ふと、その方が足を止めた。

その表情はこわばり、

その体は緊張している。
「何が起きていますか?」
すると、その方はとっても怖かったあの場面のことを

「苦しい、怖い…。」

という言葉と共に少し怯えながら語り始めた。
僕はじっとその話を聞き、

こう声を掛けた。

「それは怖かったですよね…。

少し苦しいかもしれませんが、その苦しい感じを

十分に感じて下さい。

あの時に怖くて苦しかったその感覚を。」
「そして、その苦しさに口があったらなんて言うでしょうか?」
と語り掛けた。
すると、そのその方は、表情を歪め、

少し涙を流しながら、

「怖い、逃げたい。嫌だ。」と言葉にしてくれました。
その時に、逃げなかったことを知っていた僕は、

「そうですよね。怖かったっですよね。逃げたかったですよね。

でもあなたは逃げなかったですね、

お姉さんを守ったあの時のように。

よく一人で堪えてきましたね。」
と言葉を掛けました。
すると、その方は大粒の涙を流しながら、
「はい…。」
とだけ言葉にして、嗚咽交じりに涙を流し始めました。
そして、僕はさらにこう言葉を掛けました。
「頬を伝う涙の温かさを感じて下さい。」

「その涙は、その時に泣けなかったご自分の涙です。」

「その時に泣けなかった分まで今泣いてください。」
と。
すると、その方は静かにゆっくりとその時に泣けなかった分まで、

涙を流し始めました。
僕たちは、過去のわだかまりを今に引きづり、

昔の記憶に引っ張られて、

今を生きられないことがあります。
そんな時は、昔のことを「今」思い出して、

それを乗り越える取り組みが時に大切です。
あの時に表現できなかった気持ちを十分に感じ、

今表現することが大切なのです。
心理学では、あの時に表現できなかった気持や言葉や、

体験のことを、未完了の体験と呼びます。
この未完了な気持ちを完了させることが、

時に大切になってくるのです。

昔がどうこうではなくて、

昔の気持ちを今この瞬間もわだかまりとして抱えている。

これが悩みを生むことがあるのです。

そんな時は、昔に表現できなかったことを、

今表現してみることも大切なのです。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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