他人の芝生「は」ではなく「も」青いのだ。
比較しない人生は難しく、他人の芝生は青い。
だけど、その芝生から見た自分の芝生もまた青いのだ。
とある時、こんなことを聞いたことがある。
「その芝生が欲しいですか?」と尋ねたら、
「本当は欲しくないです。」とその方は答える。
「でも、あった方がいいと思って。」とその方はまた静かに答える。
「私には何もないから…。」と悲しそうにその方は呟く。
私には何もないって感じる人生は、
きっと息苦しい。
その悲しそうな涙は、
きっと何もないことが悲しいんじゃなくて、
何もないって自分が感じていることが悲しいんだ。
って僕は思う。
悲しいのは、何もないからじゃなくて、
幸せな確かな支えがあって、
それを感じる瞬間があったから悲しいんだ。
って僕はそう思う。
きっと、何か支えになるものがあったんだって、
僕はそう思うんだ。
本当に何もなかったら、
僕たちは生きていけないんだ。
何もない。
と、僕らはそう「思っている」だけだ。
何もないってそう「感じている」だけだ。
そして、もし…、
もしあなたが本当に自分には、
何にもないなって感じるなら、
道は二つある。
一つ目は、ゼロから積み重ねていく道だ。
何もないは、ゼロ。ゼロは、プラスでもマイナスでもない。
ただフラットな状態だ。
まっさらな自分から始めればいいのだ。
そして二つ目は、自分の人生を振り返ることだ。
何もないと感じる人生を振り返ることだ。
何もないと感じるあなたの人生にも、
「ありがとう」と言われることは、
きっと沢山あったでしょう?
ご飯が食べれて、美味しいって感じる心も、
広大な海を見て、キレイって感じた心も、
音楽を聴いて心打たれた心も、
誰かの力になりたいなって思った思いやりの心も。
きっと沢山あったでしょう?
出来るようになったことも沢山あったでしょう?
計算が出来るようになったり、
自転車に乗れるようになったり、
ごめんねやありがとうが言えるようになったり。
きっとあなたが「ありがとう」って、
初めて言葉にした時、
あなたのご両親や、おじいちゃんやおばあちゃんは、
きっと、とっても喜んでくれたはずだよ。
「ありがとうって言えたの!?すごいじゃない!」って。
その言葉を掛けてくれた表情や、その言葉は
とっても温かく、そして、そのあなたのありがとうの言葉は、
人を温かくしたんだ。
何もない。
そう感じる時は、
その「何か」を思い出す必要がある時なんだろうって、
そう思うんだ。
何もない人生はない、
人生は日々動いている。
あなたの命もまた、この瞬間も波打っている。
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