「夢が叶わない青年と今」
夢を見たくて、
夢を叶えたくて青年は、
たくさんの人と出会い、
たくさんのお金をかけてセミナーに通った。
やれここがいい、
あそこがいい。
そんな言葉を信じて青年は沢山お金をかけたのだ。
でも、夢は叶わない。
だから、青年はもっとお金をかけて、
より「質」のいいセミナーへ行ったのだ。
でも、青年の夢は叶わない。
だから、青年は沢山の本を読み、
一生懸命勉強した。
でも、やっぱり青年の夢は叶わない。
だって、いつしかその夢は、
したい夢じゃなくて、
やらなきゃいけない夢になってしまったからだ。
だって、いつしかその夢は、
満たされない日常から逃れる逃げ道になってしまったからだ。
夢を追うことを止めた青年は、
あるときこんな言葉に出会う。
「目標というのは、今この瞬間に帰ること。
夢や目標は今を基盤にしなければ意味がない。」
「あぁ、そういうことか。」
青年は妙に納得したのだ。
「なんだ遠いところばかり自分は見ていたんだな。」
「今、気づくと僕には家族も友人もいる。」
「今、気づくと僕はそっちを見ていなかったな。」って。
青年はそう思ったんだ。
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