「献身は愛ではない。」尽くす愛には恐れがある。
という言葉があるように、
誰かに尽くす愛は、必ずしも愛ではないことってあります。

僕もどちらかというと、付き合うと何かをしてあげたくなる派ですが、
あんまりやりすぎるとかえって振られます。(笑)

尽くすということの根底には、
「こうしてあげたい。」という気持ち以上のものがあることがあります。

それは、
「何かをしてあげたから、愛してもらえる。好きでいてもらえる。」
という気持ちです。

ギブ&テイクの概念ですね。

これだけやってあげたのだから、対価として愛をもらう。
好きでいてもらうというように。

この気持の根底には、自分に対する自信のなさがあったりするのです。

自信がないから、何かをしてあげないと、
喜んでもらわないと愛してもらえないという気持ちがむくむくと湧いてくるのです。

だからそれを拭い去るかのように、相手に尽くしてしまうのです。
ついつい尽くしてしまう人は、この愛してもえないかもしれないという”恐れ”がありますから、
どうしても尽くすことをやめられないのです。

尽くさなくても愛される。

言葉で書くと簡単ですが、尽くしてしまう人は、
尽くさなくても愛されるということを知ること。

これが大切です。

ね、言葉で書くと5秒で書けるほど簡単でしょ。(汗

でも、これってなかなかできんのです。
だって、今までやってきたことをやめることだから、
すっごい不安で、怖いのです。

ただ、ここでちょっと考えてみましょう。
相手があなたのことが好きなのは、
尽くしてくれる相手だからでしょうか?

もし、答えがYESでも、あなたがそれでもいいなら構いませんが、
そうでないなら、別れましょう。(^^;

大抵の場合、その答えはNOだと思います。

尽くしてくれようが、くれまいが好きなものは好きなのです。
そんなものです。

何かをしてくれたらうれしいけれど、
それっておまけ程度のものなのです。

だから、そんな尽くそう尽くそうとしなくても、
案外愛されるものですから、大丈夫なのです。

無理は禁物なのですよ。

ただ、尽くすなと言われても、難しい。そんな時は…。

ただ、言葉でかかれても難しいし、
「大丈夫って言われてもねぇ…。」っていう方は、
尽くさないと、何かしてあげないとっていう気持ちをちょっと覗いてみること。
これがおススメでございます。

「ちょっと仕事で忙しけど、彼からの頼みだからこうしてあげなきゃ!」

という時、
「ちょっとまった~!」

と、こころに怒涛のストップをかけて一呼吸してみてください。

「あぁ、まずいまずい。また罠にはまるところだった。」って、
心で呟いて、
「本当は彼の頼みをどうしたいの?」って。
って、心に問いかけてみて下さい。

その答えが、心から彼の手伝いをしたい。
という事だったら、彼の頼みを聞けばいいし、
本当は今は仕事を優先したい。
という事だったら、仕事を優先する。

無意識に反応するのではなくて、
ちょっと一呼吸おいて心にたずねてから決めてみてください。

そうはいっても、葛藤が起きてきま~す。という方へ。

ただ、ここで”仕事を優先したい”気持ちが出てきたとしても、
”でも、仕事を優先したら彼に嫌われちゃうかも…。”
って、気持が出てくることがあります。

いわゆる葛藤です。

本当は仕事を優先したい。 VS 彼に嫌われたくない。

です。

男性が質問されて嫌な葛藤ですね。(笑)

「仕事と私どっちが大切なの!?」状態です。

こんな時は、とりあえずどちらも優先せずに、
どちらもあなたの気持ちですから、
それぞれの言い分を聞いてあげましょう。

心の中に、”仕事を優先したい私”と、
”彼に嫌われたくない私”がいると想像して下さい。

それぞれが意見を主張し合っている状態です。

意見を言い合っても話し合いは終わりません。
だってそれぞれが意見を言い合っているだけですからね。

だから、あなたが仲裁役として、
それぞれの意見を聞いてあげることで、
その葛藤は終わっていくのです。

さぁ、ちょっとお遊び感覚でやってましょう。
まずは、”仕事を優先したい私”にこう聞いてみましょう。

「彼にちょっと頼まれごとをしたけど、仕事を優先したいんよねあなたは。」
「きっとあなたは私の為をおもって、仕事を優先したいって思ったんだよね。」
「だから教えて、もし、仕事を優先させたら私は、”何が得られると思う?orどんな気分になると思う”」

って聞いてみてください。

すると、例えば「自分のやりたいことを優先することで、自信が得られる。」
といったようなことが出てきますから、
その得られるものをさらに堀下げて聞いてみる。

今回の例だと、”自信”なので、こんどはあなたが”自信”を得られたシーンを想像して下さい。
自信が得られたあなたは、
どんな表情をしていますか?
どんな姿勢をしているでしょうか?
何か音は聞こえますか?
体の感覚はどうでしょう?自信がある時、何か体の内から込み上げるものを感じますか?
それとも、何か別の感覚でしょうか?

じっくりと、そしてありありと”自信が得られた状態”を想像して味わってください。

それは、”自分の仕事を優先したい私”が味わいたかったことです。
だから、十分に味わってください。

そして、十分に味わったら、もう一度”自分の仕事を優先したい私”に聞いてみて下さい。

「自信が十分にこうやって得られたら、さらに私はどんな気分になる?or 何が得られるの?」って。

答えがでるまでじっくりとただ待ちます。

答えがでたら、先ほどと同じように、
”それ(先の例だと自信)”が得られたら、
自分はどんな表情をしていて、
どんな姿勢をしていて、
周りにどんなものが見えて、
どんな声や音を聞いているのか、
そして、体はどんな感じがするのかを目を閉じて十分に味わってください。

このプロセスを2・3回繰り返します。

すると、最初の”仕事を優先したい私”が本当に得たかったものが分かってきますよ。

さて、それがわかったら今度は”彼に嫌われたくない私”で同様にやってみましょう。

「あなたは仕事よりも、彼の頼みを優先したいんだよね。」
「きっとあなたは私の為をおもって、彼の頼みを優先したいって思ったんだよね。」
「だから教えて、もし、彼の頼みを優先させたら私は、”何が得られると思う?orどんな気分になると思う?”」

って聞いてみてください。

そして、その気分が得られたら…。
さっきと同じプロセスを繰り返してみてください。

両方の”私”が欲しかったものを、得たかった気持ちを丁寧に体験してみてください。

すると、心が落ち着いてきて、葛藤も終わっていくのです。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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