心が前を向く為に今できること。

心が前を向く為に、何が出来るんだろう。
そんなことをよく考えることがあります。

人の心って、形がなくって目に見えないし、
どのように向き合っていけばいいかわからないものです。

心理カウンセリングの世界も、
ずっと同じような問いをしてきたように思います。

「目の前のあなたが前を向く為に、何ができるだろう?」
「何をすればいいだろう?」って。

実際のカウンセリングをしていてもそうです。

「こころの痛みを抱えた目の前の人に何ができるかな?」

そんなことを常に考える日々なのです。

今日は、カウンセリングをしていて、いろんな方とお会いして、
前を向く為に何ができるかな?という視点で書いていこうと思います。

言葉にしてみる。

僕たちがまずいつでもどこでもできることは、
心の悩みを言葉にしてみることです。

人は、話をすることで考え方が整理されていくのです。

カール・ワイクという方は、こういっています。
「私が何を言いたいのかは、言葉に出してみないとわからない。」と。
まさにこの通りで、頭でいくら考えても、
自分の考えは整理されないけれど、
人に話をしているうちに、こんなことを考えていたのか。
とまとまることがあるのです。

また、自分の悩みを打ち明ける事自体に勇気がいりますし、
言葉にできるまでにはそれ相応の時間がかかりますから、
そういった点でも、人に話してみるということはとても大切なのです。

そして、話をする時は、受け止めてくれる相手を選ぶこと。
これが大切です。

それは、
自分では受け止め切れないことも、
自分では受け入れられないことも、
人に受け止めてもらったり、
人に受け入れてもらうことで、
自分のその重荷を受け止め、受け入れることがあるからです。

自分一人では抱えきれない時は、分かち合う相手が必要なのです。

たった一人、わかってくれる人がいるだけで、気持が本当に楽になるものなのです。

あなたが今一人なら、たった一人でいいですから、打ち明けられる人を見つけて話してみてください。

情報の波から離れる。

今は、時代が以前よりもかなり進んできていますから、
本を買わなくても、多くの情報が入る時代です。

だから、「○○の悩み 原因」と検索すれば、
いろんな情報がわかります。

特に悩みを抱えていると、その状態がやっぱり苦しいので、
抜け出したくて、どのようにしたらいいんだろうって、
沢山検索してしまいがちです。

そして、その本やサイトでいろんな情報を得ますが、
一つ二つならいいのですが、沢山いろんな情報を仕入れてしまう時があります。

すると、余計に訳が分からなくなってしまって、苦しんでしまうことがありますし、
問題があなたの中で増えてしまうことさえあります。

それはなぜかというと、
そっか私の悩みの原因は○○なんだって、
頭の中でその情報を信じてしまうからです。
すると、私が○○だからいけないんだ。
って、自分を責めてしまうことや、その○○が相手だったら、
相手を責めてしまうこともあるからです。

すると、以前に問題として意識にあがっていなかった「原因○○」が、
問題として認識されて、悩みの他にもう一つ悩みが増えてしまう。
なんてことも起こってしまうのです。

もちろん、原因が分かって安心する場合もありますから、
一長一短なのですが、少しそういった情報から離れることが大切です。

ある人がこんなことを言っています。

「今の私たちに必要なのは、静寂である。」

と。

そう、僕たちは情報の波に押し倒されています。
あんまりにも情報が多い為に、何を信じていいかわからず、
「TVでこう言ってたから。」
「本にこう書いてあったから。」
「ネットで調べたら、多くの人が同じこと言っているから。」
「ネットで書いてあることにほとんど当てはまる。だから私はこうなんだ…。」
といったように、僕たちはその波に溺れてしまいます。

そして、気づかないうちに余計な苦しみを抱えています。

だから、そんな時はちょっと離れてみること。

そんなことが必要です。
携帯を一日家において置いたり、
いろんな情報から離れてみること。

そんな時間を持ってみてください。
勿論このサイトからも。
そんな時間がとっても大切です。

自分をいたわる。

心を前に向ける事が出来る人は、
自分をいたわる時間を持っています。

これは、こころを前に向けるときにとっても大切なことです。

カウンセリングでもそうですが、
自分をいたわってもらう時間を持つことがあります。

自分で自分をいたわること。
それは例えば、旅行にいったり、
美味しいものを食べたり、
洋服をかったり、
好きな映画を見たりすることも含まれますが、
カウンセリングにおいては、ちょっと違う取り組みをします。

一生懸命に頑張ってきた自分に。
何とか一人耐えてきた自分に。
一生懸命これまで生きてきた自分に。
沢山傷ついた自分に。
いろんな自分をイメージしてもらい、
そんな自分たちに言葉を掛けてもらいます。

ある人は、
「沢山傷ついてきたね。」
「沢山傷つけてごめんね。」
と自分に謝り、ねぎらいました。

またある人は、
「あなたはなにも悪くない。」
「あなたはもう大丈夫だよ。私がついているから。」
と自分に語り掛けました。

自分をねぎらう言葉は人それぞれですから、
これまで頑張ってきた自分をイメージして、
そんな自分が椅子に座っているイメージをしてもいいですし、
座布団に座っていても、うずくまっているイメージでも構いません。

そんな自分に語り掛けて、
いわたって上げて下さい。

一生懸命生きてきたのですから。

そして、もしそんな自分をねぎらう事が出来なくても、
自分を責めないでください。

自分をねぎらおうと、取り組んだあなたをまずは大切にしてください。

今はねぎらうことが出来なくても大丈夫。
そのタイミングが来るのを楽しみにしていてください。

本当に無理のない価値ある一歩を進む。

人は変わりたいと思った時に、
人生を一変させたいと思って大きな目標を立てがちです。

でも、それって多くの場合上手くいきません。

「志は大きく、夢はでっかく。」

なんて言葉がありますが、僕は反対です。

顔を上げようとした時、
前を向こうと思った時には、あんまり必要ないからです。

顔を上げる事ができる人は、
前を向くことができる人は、
みんな自分の小さな一歩に喜びを感じています。

小さな一歩に愛さえ感じているのです。

決して無理をせずに、
今の自分にできるほんのちっちゃなことを、
少しずつ行っているのです。

そして、それが例えば3日坊主でもいいのです。

なぜなら、その小さな一歩は、その時に感じた価値がある一歩だからです。

人の気持ちは、移り変わっていくもの。
目標も、その一歩も、どんどん変わっていくのが自然だからです。

その時々に感じた価値ある一歩に、小さな一歩に、
気ままに取り組んでいく。

そんな姿勢がとっても大切なのです。

自分に打ち勝たない。

「自分を変えなきゃ。」
「前を向かなきゃ。」

って思う時、僕たちは「弱い」と思われる自分に勝とうとします。

でも、この方法では多くの場合上手くいきません。

それは結局勝ったとしても、負ける自分が必ず出てくるからです。

勝つということは、イコール誰かが負けるということです。

自分に勝つといった時、負けるのはやっぱり自分なのです。

心の戦争を終わらせる為に必要なのは、勝者になることではなく、
よき聞き手になることです。

葛藤している意見の両方を聞けるよき聞き手になることです。

自分に打ち勝つ方法で、元気になった人は沢山知っていますが、
それが長く続いた人を僕は見たことがありません。

勝ち続けるということは、自分も負かし続けるということです。

そういった方法が続いた人を僕は見たことがありません。

僕が見てきたのは、打ち負かすことを止めて、
両方の心と仲直りをした人たちです。

今までその向けてきた声に、耳を澄ませること。
今まで聞こえないふりをしてきた声に、耳を澄ませること。
心の声に、一つ一つ耳を傾けること。

そういう方法で人は前を向いていくんです。

ただ、こころの声が聞こえない時が人生にあります。
自分の気持ちがなんだかよくわからない!なんて時も人生にはあります。

そんな時は、気持が動く瞬間を見つけることから、
気持ちが動いていた瞬間を少しずつ思い出すことから始めよう。
大丈夫、あなたの心は壊れているわけじゃないから。

さて、これまで心が前を向く為にできることをいくつか書かせて頂きました。

どれも万能ではありませんから、あなたの心が向くものがあれば、
取り組んでみて下さいね。

やってみる価値があるかなと、感じたら取り組んでみて下さいね。

これを読んでくれているあなたが、あなたの心が、
また顔を上げる時が来る日を心より祈っています。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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