「トラウマ」
そんな言葉を聞いたことがあなたはありますか?
そもそも、トラウマということば、ベトナム戦争の当時に
戦争から帰ってきた帰還兵が、現地での体験があまりに強烈で、
フラッシュバックが起きたり、無感覚になったり、急に涙が出たり、
寝たいのにねれなくなったり…。
そんな症状を呈する兵士がよくいて、カウンセリングを受けることで、
大きく改善していった経緯があり、世に認知されることとなりました。
この症状を”心的外傷後ストレス障害”といい、いわゆるトラウマと言われるものです。
ただ、こころ音では、このトラウマ(心的外傷後ストレス障害)のケアをしていませんが、
失恋でも、喪失体験でも、同じような症状がでる場合があります。
急に大切な人がいなくなるわけですから、
そのショックは本当に計り知れず、その心の傷は深いのです。
急に涙が出たり、眠れなくなったり、
過剰に活動的に動いたり、気持の上がり下がりが激しかったり、
些細なことでも過敏に反応するというような、
「生理的に過剰な反応」がでます。
そして、急にフラッシュバックしたり、
最悪な夢をみたり、その出来事をさけたり、
とても悲しくなったり、
いろんなことを思い出して、「再体験」します。
気持をあまり感じなくなったり、
その出来事を思い出せなくなったりという、
「回避や感情があまり出なくなる。」というようなことがおきます。
こういった反応が、深い傷を負ってしまった時にでることがあります。
なぜこんなことが起きるのかというと、本人のキャパシティを超えてしまったからです。
つまり、もうこれ以上耐え切れないというところを超えてしまったのです。
そして、それは本人は何も悪くないのです。
むしろ、そんなになるまでよく頑張って、耐えてこられたと僕は思います。
感情があまり出なくなる時は…。
感情が出ないのは、こころがあなたを守ってくれているからです。
これ以上のショックを与えられると、あなたの心が壊れてしまいそうだから、
こころが感情を出さないようにしてくれているのです。
感情をだすということは、エネルギーがいりますし、
それほど自分の深い悲しみや奥底にある怒りの気持ちなどの沢山の気持ちに気づくことです。
それは、とってもつらくて…、”今”は耐えられそうにないからこそ、
気持ちを出さないように心があなたを守ってくれているのです。
だから、失恋や喪失体験により、気持ちがでなくても、
それはこころが壊れたんじゃありません。
それはこころが今もあなたの為に動いてくれていて、守ってくれているのです。
そして、気持がでないのはそれほどのことがあったんですから、
当たり前の反応なのですよ。
決して、「気持ちがでないなんて、ひどい人間だ…。」なんて思わないでください。
再体験する時は…。
何度何度も繰り返し、繰り返し思い出す時があります。
「もう思い出したくないよ…。止めてよ…。」
そう思っても思い出してしまうことがあります。
それは、こころがあなたなら乗り越えられると思って思い出させてくれています。
こころはあなたと同じように不器用で、混乱しています。
だから、繰り返し思い出させるのも、
「ねぇ、もうあんな思いをしたくないでしょ?」
「だから、きちんと見て、乗り越えられるんだから…。」
という不器用な心なりのメッセージなのです。
生理的な過剰反応が出る時は…。
いわゆるショック状態なのです。
こころが不器用なりに精一杯頑張ってくれているのです。
緊急事態を察知した心は、涙を流させて、ストレスを外に出そうとし、
そして、涙はストレスによって生じる苦痛をやわらげる効果もありますから、
少しでも楽になって欲しくて、悲しくなるのです。
それは、やっぱりあなたに乗り越えてほしいからです。
急に活動的になってそのことを考えないようにさせたり、
少しでも”その出来事”を思い出すことでも過敏に反応してしまうのは、
もうあんな出来事に合って欲しくない為、
ほんの小さなことでも反応して、「そっしに行っちゃダメ!」って、
そう教えてくれているのです。
深い傷を負った時は、焦らないで。
とはいえ、急にこんなふうに考えられない時もあります。
そんな時は、
「それほど、大変なことがあったんだ。悲しいのも、気持が浮き沈みするのも、
思い出してしまうのも全部当たり前なんだ。」
「こころがそれほどショックを受けたんだ。」と、そう自分に声を掛けてあげてください。
あなたの心もあなたと同じようにつらくて、あなたの為に今も頑張っているんですから。
そして、急に前を向く必要なんてありません。
焦らずに、じっくりとあなたのペースで歩んでいってください。
悲しみ過ぎることはありません。
その悲しみは大切だった思いが深ければ深いほど大きいんです。
悲しみの深さは思いの深さです。
でも、どうか苦しみ過ぎないでください。
自暴自棄になりそうになる時もあると思いますが、
どうかご自分を大切にして下さい。
今後は、少しずつそういった気持ちに対してどのように対処していくのかを、
書いていこうと思います。
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