『自分に嘘をつくと自分を傷つける。』
「もう、自分に嘘をつきたくない…。」
そう語る人の話を僕は何度も聞いてきました。
「じゃ、嘘なんてつかなければいいじゃないか。」
ってあなたは思うかもしれません。
でも、そう簡単にはいかないのです。
自分を偽りたくなくても、
ついつい自分を抑えてしまう。
そこには、
本当のことを言って、
場を乱したくない。
相手を傷つけたくない。
嫌われたくない。
否定されるくらいなら…。
あの人が楽しいなら…。
そんな優しい思いが見え隠れしています。
でも結局、その見えない優しさに人は気づかず、
その優しさは自分自身を傷つけてしまいます。
そして、自分に落胆します。
それは、自分が一番知っているからです。
その口から出た言葉が、「偽りのもの」だと、
自分が知っているからです。
自分だけがそれに気づいていて、
自分でも「こんなんじゃダメだ。」と
気付いてるからこそ、
わかっているからこそ、
余計に苦しく、そして傷ついてしまうのです。
そして…、
「自分に嘘をつきたくない。」
というこの言葉には、
そんな思いともう一つ大切な気持ちが含まれています。
それは、
今まで偽ってきて、「ごめんね。」って、
自分へのごめんねの気持ちです。
人を傷つけないようにしてきた優しさで、
自分を守るつもりでついた偽りで、
傷ついてしまった自分へのそんな思いをさせてごめんね。
我慢させてごめんね。
という気持ちです。
今まで人に向けていたその優しさを、
自分をいたわる優しさへと変えたごめんねです。
このごめんねは、自分を大切にしようとするごめんねなのです。
「もう、自分に嘘をつきたくない…。」
その言葉には、そんな大切な思いが込められています。
嘘をつきたくないんじゃなくて、
もう傷つけたくないのです。
「私」というこれまで生きてきた自分を。
もう大切にしたいのです。
「私」というこれからも共に歩む自分を。
だから、よく頑張ってきたねって。
もしあなたがこの言葉を言われたら、
言葉をかけてあげてください。
きっとたくさん傷ついてきたでしょうから。
そして、もしあなたが「もう嘘をつきたくない。」
と感じるのであれば、その気持ちを大切にしてください。
大切に出来ない時があっても大丈夫。
今は大切にしようと心がけてみるだけで十分です。
いきなり、すべて本音なんか言えないんですから、
少しずつ練習していきましょう。
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