自分に気づくというのは、

意外と盲点が多く、難しい時があります。

 

カウンセリングをしていてもそうです。

 

なかなか自分を客観的に振り返ることができず、

選択肢が一つしかないように感じたり、

自分が今どんな気持ちなのかもよくわからなかったり、

冷静に状況を把握できなかったりすることもあります。

 

そんな時は、自分を冷静に客観的に振り返る取り組みが大切です。

 

そういった方を目の前にした時、

こんな取り組みをすることがあります。

 

それは例えばこんな風に。

 

Co「ではちょっと気分を変えて、自分を見つめる取り組みをしてみましょう。」

「では、立ち上がってもらってもいいですか?ここに椅子が二つあります。」

「一つは、今の自分。もう一つは、悩みを抱える自分です。」

「その二つの自分の関係性を椅子で表現してもらってもいいですか?ちょっと近いかなとか、向きはこうかなとか…。」

Cl「はい。う~ん…。こんな感じかな。」

Co「ありがとうございます。では、悩みを抱える自分はどんな風に見えますか?姿勢とか、表情とか…。」

Cl「ん~。なんだかうなだれている感じがします。姿勢は猫背で下を向いているかな…。」

Co「よくイメージされてますね。表情はどうでしょうか?」

Cl「なんだか寂しそうです…。」

Co「寂しそうなんですね…。悩みを抱える自分はそのように見えるのですね。」

Cl「それでは、今の自分の席に座ってもらってもえますか。」

Co「はい。」

Co「そうやって相対していると、どのように感じますか。」

Cl「なんだか苦しそうだなって…。」

Co「そうですよね。苦しそうですよね。何がそんなに苦しそうでしょうか?」

Cl「自分のキャパオーバーの仕事を背負いすぎて、いっぱいいっぱいになっている。」

「そんなに背負わなくていいのにって、プライベートでも大変なことが重なっているのに…。」

Co「彼女はそんなにたくさん背負っていたんですね。プライベートも大変で…。そんな彼女にかけてあげたい言葉はありますか?」

Cl「もういいよ。そんなに頑張らないで…。」

 

このように、自分の気持ちが分からなくなるほど頑張っていると、

自分の気持ちや自分がどんな状態かもわからなくなりますが、

少し一歩引いてみると、自分が見えてくることがあります。

 

僕たちは普段頭で考えることは多くあっても、

冷静に自分を振り返ってみたり、

自分の気持ちを感じてみたり、

自分をねぎらったりすることはあまりありません。

 

でも、そういった取り組みはとっても大切です。。

 

自分と距離を置く。

自分を見つめる。

自分と対話する。

自分をいたわる。

 

大変なことが多いじゃないですか。

この世の中。

そして悩みを抱える方というのは、

不器用な方が多く、

生きづらさを感じて、

自分の気持ちを無視できな繊細な方が多いように思います。

 

大胆不敵になれればいいですけれど、

なかなかそうもいかず、

人の気持ちに気づいたり、

気を使ったり、

優しい方が悩みを抱えるように

僕はどうしても思います。

 

悩むべきはあなたではなく、

相手でしょう。

と思うときもやっぱりあります。

 

そんな世の中だからこそ、

こういった取り組みがとっても大切なんじゃないかなって思うのです。

自分を見つめる時間。

あなたは取っていますか?

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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