
僕たちにはいろんな自分がいます。
仕事を頑張る自分、
悲しみを抱えた自分、
喜びに満たされた自分、
思いやりに溢れる自分etc
といったようにいろんな自分がいます。
でも僕たちはそんな自分に気づいていません。
悲しいのも嬉しいのも、
全部自分そのものだと思ってしまいます。
でもそれは、自分の一部であって、
自分自身ではありません。
僕たちは感情以上にもっと大きな存在なのです。
でも僕たちはそれをついつい忘れてしまいます。
そう、この前カウンセリングをしていた時もそうでした。
仕事で思うようにいかなくて、
上司から注意をされて、
「なんで自分はできないんだろう。」
なんで余計なことをしてしまったんだろ、、、。」
といつも落ち込んでしまう方がいました。
お話を聞いていると、
その上司は悪気はないようですが、
注意したあとに、
「大丈夫だよ!次はさ、、、。」といったように励ましたり、
思いやりもしめしてくれますが、
逆にそれが彼女にとっては痛いのです。
否定の後に肯定的メッセージを言われても
やっぱり人はあまりそういった肯定的面を受け取れないのです。
それに加えて、
期待に応えられない。
こんなに声を掛けてもらっているのに。
そんな思いがぐるぐる巡り、
彼女を苦しめます。
一生懸命に仕事をしているように見えますし、
実際に一生懸命に働いているのだと思います。
でもそれがかえって彼女を苦しめます。
しかし、
そんな彼女がほっとする瞬間があります。
それは仕事から離れて、
お友だちと遊んだり、
自然に触れたり、
仕事ができる私、
仕事ができない私ではなく、
一人の人間として自分といられる瞬間です。
仕事ができる出来ないということと、
「私」という人間の価値は関係ないのです。
彼女はきっとそれを知っていたのでしょう。
でも仕事に追われてそんなことを
忘れているようにも見えました。
そこで仕事を頑張っているけど、
うまくいかない私。
と
仕事の価値とは関係なく存在している私。
を感じ分けてもらうことにしました。
そこで椅子を二つ用意して、
その二人の自分を分けてもらいました。
そしてまずは仕事を頑張っている自分の椅子に座ってもらいそっと目を閉じてもらいました。
そしてこんな言葉を掛けながら、自分を感じてもらいました。
「そこは、一生懸命頑張ってきた自分の席です、、、。
あなたは人より不器用ですから、
上手くいかないことも、
空回りすることも沢山ありましたね。
落ち込むことも沢山ありました。
そして、お客様の言葉に堪らなく嬉しくなったあの時も。
沢山の支えに気づいたあの瞬間も。
確かに仕事が思うようにいかないことも沢山あったかもしれません。
でもあなたは誰よりも沢山思いを向けて仕事をしてきました。
そんな自分をゆっくり自分のペースで感じてください。
、、、、。
そうやって仕事を頑張ってきた自分を感じるとどんな気持ちが沸き上がって来ますか?」
「よくやって来たねって思います。」
「そうですよね。よくやってきましたよね。
それではそんな自分に今の言葉を伝えて下さい。」
「よくやって来たね。」
そうやって彼女は自分を労いながら、
静かに涙をし、
頑張って仕事をしてきた自分を感じていかれました。
他にも沢山の労いの言葉を自分に掛けながら。
そして、ちょっと間をおいて、
もう一つの椅子に座ってもらいました。
その椅子は、
仕事ができるとか、
できないとか、
そんな自分とは無関係に存在している私の椅子です。
ゆっくりと座ってもらい、
仕事の価値とは無関係に存在する私を感じてもらいました。
その椅子に座るとこんなことを伝えてくれました。
「私は特に目標とか夢とかないんです。
人に持った方がいいって言われますけど、ないんです。
でもそんなのなくても、私は家にいて、
なにも考えずに掃除している時とか、
家でぼーっとしているだけでも幸せなんです。」
と目に涙を浮かべて伝えてくれました。
そう、僕たちは心のどこかで知っています。
何かができるから幸せだとか、
何かができないから不幸せであるとか、
そんなできる・できないは関係ないのだと。
そして僕たちは知っています。
仕事の価値とは無関係に、
僕たちはただここに生きているのだと。
生きてていいんだと。
そう、仕事は人生の価値の一つにしか過ぎないのです。

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