誰かから必要とされることで、

僕たちは自分の居場所を確認できる。

 

誰かから必要とされると、

心が弾む。

 

「私、必要とされているんだ。」

「こんな私でも誰かの役に立てるんだ。」

 

そんな何でもないことが無性に嬉しく、

そんな瞬間を積み重ねていく度に、

空っぽだった心が満たされていく。

 

胸がなんだかほっこりする。

 

きっとこれが温かさなのだろう。

これが温もりなのだろう。

 

そう彼女は心の中で呟き、

それを噛みしめる。

 

でも、彼女は気づいていない。

 

その温かさがどこから来たか。

 

彼女はきっと誰かがくれたと思っているんだ。

 

だから彼女はまた誰かにそれをもらおうとすると、

その温かさを誰かに求めて、

またその温もりに触れられるその瞬間を心待ちにする。

 

そう、彼女は気づいていない。

その温もりがどこから湧き出て来たか。

 

その源泉に彼女は気づいていないんだ。

 

ほっとするその気持ちは、

温かさを感じるその気持ちは、

あなたの心の奥の奥の方にあるんだ。

 

少し目を閉じて、

最も繋がりを感じた(感じる)誰かを思い出してみて。

 

少し体の重心が下がって、

ほんの少しだけでも、

心がほっとしたり、

温かさを感じるはずだから。

 

もし寂しくなったとしても大丈夫。

 

あなたの心の中に確かに築かれた絆をあなたは今感じたんだ。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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