自分の苦しみに気づいてあげることは、
とても大切です。
先日も「自分がもう限界なのか、それとも甘えなのか分からないんです。」という方がいました。
でも、もうその言葉を発しただけで、
目から涙を浮かべています。
一般的にいっても、
そのような状態は危険信号です。
でも、それが本人はわからなくなっているのです。
そこにご本人の苦しみがあります。
その方は「もう疲れた。」と言いつつ、
自分を休めることが出来ません。
そこにもその方の苦しみがあります。
「少しこのカウンセリングの時間だけでも休みましょうか。」
「最近休んでないですよね?」
と言葉をかると「はい。」とその方は答えてくれました。
そこで体育座りをしてもらい、
自分を抱き締めるような姿勢をしてもらい、
ゆっくりと呼吸をしてもらいました。
そして「体の中でどこが一番疲れているなと感じますか?」と聞くと、
「全身。」と答えてくれました。
そこで、
「その全身の疲れを感じてください。
それは、あなたがそんなにも頑張れた証です。」
「これまで、すべて自分が悪いのだと思うようにし、何とか色々なことをしのいできたご自分を感じてください。」
「こんなにも自分がつかれていること、こんなにも休みたいと感じていることに気づいて下さい。」
「…。そしてその両手で、トントンと自分を優しくたたいていると、どのような感じがしますか?」
「少し落ち着いてきました。」
「そうですよね。そしてそのトントンと触れる手の温かさを感じてください。」
こうやって少しずつ体の感覚に意識を傾けてもらい、
少しずつこのカウンセリングの場だけでも、
落ち着いてもらえるように援助を行いました。
そして落ち着いてきたところで、
今きっと感じているであろう感情に言葉を掛けながら、
忙殺されて舞台の裏へと追いやられた気持ちを、
少しずつ感じてもらうように言葉を掛けていきました。
「忙しい」
その言葉通り、忙しいと僕たちは「心」を「亡」くします。
そして、忙しさに過度なストレスが加わると、
心は苦しみ、叫びをあげますが、
僕たちは、心を亡くしてしまったかの如く、
その苦しみに気づくことが出来ません。
気づいたとしても、それをかき消すがごとく、
お酒を飲んだり、誰かと話をしたり、
何かゲームをしたりスマホをいじったり、
”何か”外側の世界で行動をし、
自分の苦しみから離れようとします。
それは、それで一つのやり方です。
ただ、もしそれが上手くいかなくなった場合は、
少しだけ意識の方向性を外から内へと向ける時期かもしれません。
そう、この方のように。
自分に気づいてあげる優しさを、
自分という大樹に水を上げる時間を、
持つ時かもしれません。
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