「なんか今日はダメです。涙が…。」
話し始めた刹那、
目の前の人から大粒の涙が溢れてくる。
心の中が一杯なのだ。
人は、心の中の苦しみが悲しみが、怒りが満杯になると、
自然と涙が溢れてきてしまう。
そう、自分でも気づかないうちに。
そう、自分でも抑えられずに。
「大丈夫ですよ。涙を流しても。
この時間は、Aさんの為の時間ですから、
無理に話さなくても大丈夫ですし、
勿論話たければ話しても大丈夫ですしね。」
泣くのは悪いことじゃない。
溢れてきたということは、
誰にも話せずに一人で抱えて来たのだ。
だから、流したっていいんだよ。
でも、涙の渦にのまれてしまうのは苦しいんだ。
涙の渦にいる時は、
なにが悲しいのか、
何が苦しいのかもわからないから。
人は悲しくって泣く。
けど、その理由もわからなくなってしまうんだ。
それは、2、3重の苦しみだ。
自分にとって嫌な出来事が起きたこと。
それが例えば誰かから振られるといった場合、
その出来事だけでも苦しい。
それで、自分を責めてしまったり、
ショックで気持ちが自然と溢れるようになってしまったとしたら、
それもかなり辛い。
そして、そんな状態でただでさえ辛いのに、
自分が何が辛いかすらもわからなくなってしまうのは、
3重の苦しみだ。
もう苦しみすぎだ。
よく頑張ってきたね。
そんな思いを込めて、
Aさんにはこんなトレーニングをしました。
「これまで、自分の気持ちがそのようにわからなくなってしまうことはありませんでしたか?」
と伝えて、「ある。」という言葉をもらったので、
「今悲しみの波がAさんを襲ってきています。
今までは、なんとか乗りこなそうと、
その荒波に勇気をもって挑んできたけど、
何度ものまれてしまって大変でしたよね。
これから波の乗り方を一緒に身に付けていきましょう。
大丈夫です。ここでサポートをしますから。
悲しみの波の渦に入るのではなく、
そこから顔を出したり、
乗れるようになっていきましょう。
涙に、悲しみに何度もまた飲み込まれそうになって、
「分からない。」と言いたくなるかもしれません。
それでも出来る限り頑張って僕の質問に答えてください。
涙が襲ってきたら、
涙をこらえるように努力をしてみてください。
大丈夫です。サポートしますから。」
そういって涙の海をAさんがまずは乗りこなせるように、
何回かトレーニングを行いました。
気持ちが溢れすぎて、
自分の気持ちがよく分からなくなってしまう時、
僕たちは自分の気持ちが見えなくなってしまう。
そして、ぐるぐると渦にいるが故に、
その気持ちのメッセージも受け取れなくなってしまう。
その気持ちがむくべきところを向けるように、
海から顔を上げる練習をしていく。
「今、自分の気持ちが「分からない。」と言わずに、
ちゃんと目の前の自分がどんな気持ちか見つけられましたね。」
「よく堪えていますよ。頑張ってますね。」
「どんな感じがしますか?」
「なんか気持ちが楽です。うわーってならない。」
「どこが楽ですか?」
「体のこの辺りが(胸の辺りを指す。)。」
「いいですよ。その楽さともうちょっと一緒にいてみましょうか。」
こんなトレーニングをとおして、
少しずつ、
本当に少しずつ、
苦しみの渦から抜け出て、
自分が波に乗る練習をしています。
今もそれは続いていて、
でももう前みたく泣かなくなりました。
泣いたとしても、
どんな涙かもうAさんにはわかっています。
あとは、その出てきた気持ちに対して、
どうしてあげるか。
それを身に付けていくだけ。
僕たちは、少しずつ変わっていく。
僕たちは、少しずつ自分を癒すことが出来る。
そう、僕たちにはそれが出来る。
あなたもそれをどこかで知っている。
そうじゃなきゃ、
こんな記事なんて読まないさね。
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