一人じゃないのに孤独を感じるのは。

僕はわりと孤独を感じる瞬間が多くありました。

沢山のセミナーに出ていたころ、
話せる人もいるし、食事にいく中の人もいましたが、
みんないるのに、なぜか孤独を感じるのです。

同じセミナーを学び、
例えば同じカウンセリングスクールで学んでいるのに、
なぜか孤独を感じていました。

「みんなと学んでいる。それなりに楽しいし、充実している。」
「でも、なぜかポツンとしているような孤独を感じる。」

他にも、相談しにいったりしても、
話を聴いてくれているのに、
「分かる分かるそうだよね。」
なんてやり取りを繰り返していくも、
なんだか分かってもらえなかったようで、
もはやそこに自分がいるんだかいないんだかわからないような、
話を聴いてくれる人や、周りの人が風景のように、
映画のワンシーンのように、音がなくなり、
目の前の人が話しているのに、声は聞こえず、
自分だけが静かに動いているような、自分だけが別の世界にいるようなそんな孤独を感じる。

なんてことがなぜだかよくありました。

まぁ、今でもあるんですが(汗

最近まで、それをうまく言葉にすることができなかったのですが、
カウンセリングの先生の原田先生の本を読んで、ピンときました。
「そういう事だったのか」と。

「まるで無人島にいるかのように「ひとりぼっち」の感じです。もちろん周囲には人がいます。その人たちは皆、それぞれの集団に所属している、でも、自分だけがどこにも属していない」 原田幸治(2016)「心を読み解く技術」 172P 晶文社

まさにこの感じなのだなと納得しました。

そして、この孤独感の奥には、あるもの(価値観など)を「分かち合いたい」という期待があって、
それを分かち合える人がいなくて、期待外れとなって悲しみを感じ、孤独を感じる。

孤独を感じる時は、まさに上述のような時ですね。
分かってもらいたいことや、共有したいことや価値観や独自の世界観があっても分かってもらえない。

昔の画家や、音楽家はまさに孤独だったんじゃないでしょうか。
死んでから、その世界観やその価値観を認めてくれる人が現れて、
評価されるようになった人が多いですよね。

孤独を感じるあなたもきっとおなじような状況なんじゃないでしょうか?

自分のなかに大切にしたい思いや、価値観があって、
それを表現しても、誰にも伝わらず理解されない…。

理解して欲しくてなんども説明したけれど、
だれもその孤独を”分かってくれない”。

例えば、
人の気持ちは本に書いてあるように単純なもんじゃない。
人の気持ちは理解できるものじゃない。
だからこそ、最善をつくそうとする。
上手くいけば手段は関係ないなんてことはない。
ゴールに辿り着ければいいわけじゃない。
結果の為に人は生きているわけじゃなく、
その瞬間瞬間のプロセスもまた生きているんだから、
緻密に、繊細に、最善を尽くすべきである。

といった価値観をもっていたとしたら、
結果だけをみる人たちの中にいた時に、
孤独を感じます。

それは、自分が大切にしたいものが分かち合えないからです。

一人孤独を感じる時、
「何が分かってもらえないのか?」
「何を理解して欲しいのか?」
を考えて、感じてみると、それほど自分が大切にしたかったものが見えてきます。

そして、それほど”相手”と分かち合いたかった気持ちも。

いくら説明しても、なんどいっても理解されずに、
諦めた悲しさの奥には、
分かって欲しかった気持ちや、それほどあなたが大切にしたかった世界観や価値観が隠れている。

孤独を感じるということは、そういった相手に期待していたことを、
もうすでに諦めている、諦めかけているということかもしれないし、
諦めたくないからこそ、孤独を強く感じるのかもしれません。

いずれにしても、孤独を感じるのなら、、
それほど大事にしたいあなたの世界をどうぞ大事にしてください。

諦めて、見ないようにして、隠して生きる世界もまたありだと思います。

諦めきれずに、その世界観・価値観を理解されないながらも、
表現し続けることもまた大切だと思います。

そして、個人的経験から言える事は、
無視し続けても、
何度でも、孤独はやってきます。

ふとした瞬間に孤独を感じ、涙することもあります。
「なんでわかってくれないんだろう」って。

一人みんなと違うように感じて。

でも、それはこころがあなたにこうささやいているんです。

「ねぇ、忘れないでよ。こんなに大事にしてきたんじゃない。」
「こんなにもあなたの世界はきれいで大切だったし、大切なんだよ。」って。

孤独からのメッセージは、人それぞれですが、
それを受け取るまでは、何度でも胸のドアを孤独はノックしてきます。

「忘れないで!こんなに大事にしたいものがあるじゃない!」って。

そのメッセージに耳を傾けて生きていく事が出来れば、
きっと少しずつですが孤独は和らいでいきます。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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