「先生、あのね。先生のおかげ。」先生あのね。

先生!
そう、僕は呼ばれることがあって、
なんだか最初はこそばゆかった。

そして、ちょっぴり嫌だった。
それはいまだにちょっぴり残っている。

クライアントさんにとったら、
カウンセラーも先生だ。

だからしょうがない。

でも、ひとつだけ言われて嫌な気持ちはしないけど、
複雑になることがある。

それは、
「先生、あのね。先生のおかげで○○できた。」
というこの言葉。

ありがたい。

けど、先生のおかげって思わせてごめんね。
とも、ちょっぴり思う。

おかげ様の人生だから、
誰かのおかげってとっても大切だ。

でも、カウンセラーのおかげの人生は、
ちょっぴり嫌だ。

だから僕は思うんだ。
そう思わせてしまって、ごめんね。
って。

「野川先生に、命を救われた。」
と、そういってくれた子がいる。

でも、僕は思ったんだ。
そう思わせてしまって、ごめんね。
って。

本当はあなたがすごいんだよって。
あなたが自分で命をつなぎとめたんだ。
最後はあなたが決めたんだって。

そう実感できる関わり方ができなくてごめんねって。
そう思うんだ。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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