よく僕たちはこんなことを言われます。
「終わったことはいつまでもくよくよしていてもしょうがないじゃん」
って。

でも、んなことを言われても後悔ってなかなか終わらんのです。

「なんであの時あんなことを言ってしまったんだ…。」
「あんなことをむしろ言わなきゃよかった…。」
ってどうしても考えてしまうし、
「いや、もう終わったんだか…、こんなこと考えても無駄だ。」
「前を向かなくちゃ。」
って考えてもなかなか前を僕たちは向けません。

そんな時に僕たちは考えないようにしようとしますが、
やっぱり考えちゃう不思議な生き物なのです。

さて、なぜ後悔が終わらないんでしょう?
なぜ”頭”ではわかっているんだけど、”こころ”がついてこないんでしょう?

後悔が終わらないのは、過去が未完了だから。

その要因を紐解いていくには、
ゲシュタルト療法という心理療法のある考え方が役に立ちます。

それは、「未完了の体験」という考え方です。

僕たちが後悔しないのは、
自分がいいたい言葉を言えていたり、
とりたい行動をとれた時、
思い残すことがない時、
つまり「完了している体験」の時。

この時に、僕たちは過去のことを気に病んだり思い悩むことはありません。
なぜなら、思い通りにいかないまでも、自分が出来る精一杯のことをやって、
思い残すことがないからです。

一方で、僕たちが後悔をしたり、思い悩む時というのは、
自分がいいたい言葉を言えなかった、
とりたい行動がとれなかった。
表現したい気持ちを表現できなかった。

こういう体験があると、後悔が残る場合が多くあるのです。
こういう体験のことを「未完了の体験」といいます。

過去は終わったようで終わってない。

そう、過去はもう終わったことです。
だから、過去に言えなかったことや表現できなかった気持ちがあることはわかるけど、
もうどうしようもないんじゃない?

と考えるのが普通ですよね。

ただ、ここでポイントとなるのが、
その未完了の体験を「今」も抱えていることが後悔を引き起こしたり、
悩みを引き起こしていることです。

未完了を今も抱えている為に、今をそのまま生きられないのです。

その為、一般的に言われていることとは、
逆と思われることをします。
今を生きる為に。

それは…、
一歩進む為に、その時に本当は言いたかった言葉を表現してもらったり、
胸の苦しみを感じてもらって、
その旨の苦しみを言葉にしてもらったり、
その感覚を最初に感じた時の場面を思い出してもらったり、
意図的に思いっきり後悔をしてもらったり…。
「本当は表現したかった気持ち。」
「本当は辛かった気持ち。」
「本当は理解して欲しかった気持ち。」
「本当は掛けたかった言葉。」
を表現してもらったり、
後悔を終らせる為に色々な取り組みをしていくのです。

過去は確かに変えられないし、
振り返っても変えられないから意味がないかもしれない。
だけど、振り返った時に、
本当は言いたかった言葉を「今」言葉にすることは、
喉のつかえを取り、心を自由にします。

だってそれは、過去の言葉ではなくて、
今までずっと抱えて来たけど、
我慢してきた今の気持ちなんですから。

もう相手はいないし、誰も聞いてくれないかもしれない。
でも、それでも、今その気持ちを抱えているのなら、
今だからその気持ちを表現することもとっても大切なんじゃないかなって思うのです。

※ただ一人でやると落ち込んで終わってしまう事がありますから、専門家にご相談くださいね。

 

 

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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