少しずつ少しずつ。

僕たちは成長する。

少しずつ少しずつ。

ほんの少しずつ。

 

でも当たり前に思っていると、

僕たちはそんなことに気づかない。

 

「さて、前回からどのような良い変化がありましたか?」

僕は2回目のカウンセリングでこう聞くことが多い。

 

先日もカップルカウンセリングでこの言葉を伝えると、

CL「ん~そうですね。特にあまり変化はないですね。」

Co「そうでしたか。では悪くはなってないんですね。」

と切り返し、話を聴いていると、

・奥様があまり怒らなくなり、悲しくなることも少なくなった。

・手もあまり震えることもなくなった。

・二人の時間を持つことが少し増えた。

などなど、小さいものから大きなものまで「変化」が出てきました。

 

僕たちは、自分たちの日常の変化を過小評価する。

 

今までできなかったことが少しでも出来るようになったり、

出来なかったとしても、挑戦したことや、

やろうとも思わなかったことをやろうと思ったり、

そんな小さな勇気や、ほんの小さな挑戦を

僕たちは過小評価してしまう。

 

だって人と比べれば…大したことないもの。

だって達成できてないもの…。

って、自分のしたことを低く見積もり、

価値が無いものと判断してしまう。

 

確かに人と比べたら大したことがないかもしれない。

でも、人と比べていたら一生大したことがなくなってしまう。

この世界は広くて、自分よりすごい人が沢山いるもの。

 

確かに達成できなかったかもしれない。

でもそれは本当に大切なんだろうか?

 

そこまで頑張れた、心を向けることができた、

心を向けてきた自分を否定してまで、必要なものなんだろうか?

 

自分をいじめるのは止めて、

今日だけは、自分を見てあげよう。

他人越しの自分ではなく、

自分を見てあげよう。

 

 

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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