小さい頃は、時間が長く感じるから、

その時間の大切さに気づかない。
それがどんなに大切かに気づかない。
今日も目の前のお父さんと一緒にその歩く女の子は、

一緒にお父さんと手をつないで、

嬉しそうに話しかけている。
それはとっても嬉しそうに。
娘はきっと思う。

「お父さんと一緒に過ごせてうれしいな」って。

そんな純粋で、キレイで、素直なその心でそう思う。
そしてきっとお父さんはこう思う。

「この子もすぐ大きくなってしまうんだろうな」って。

嬉しさと寂しさを同時に抱えて、

その時間を愛しく思う。

大切な人を持つと、

その時間は、一緒にいる時間は一瞬だと気づく。

その時間は幸せであればあるほど、

すぐに過ぎ去っていくと大人は知っているし、

知ることになる。
だからその時間を掴もうと、

大切にしようと、

その成長を愛おしく思う。
でも子供はそんな思いは知らないし、

きっと大人にならないと気づけないし、

気づく必要もないだろう。
「親の心、子知らず」なのだ。
でも、やがてその子たちも大人になる時が来る。

そして、気づくんだ。

親と過ごせる時間がもう少なくなってきているって、

元気で笑い合って、お酒を飲んだり、

元気に歩いているその姿があとどれくらいあるんだろうって、

そう思いを馳せて気づくんだ。
ふと改めて両親の顔を見て、

その髪に混じる白髪が増えていること。

その顔にしわが増えていること。

背中がちょっと丸くなっていること。

早く夜寝るようになったこと。

体力が落ちていることに、

僕たちは気づき、なんとも言えない気持ちになるんだ。

人はいずれ亡くなる。

でも、その片鱗を見た気がして、

僕たちは気づくんだ。
そんな状態になって気づくんだ。
子供の僕たちにもその時間があまり残されてないことに。
だから子供の僕たちも思うんだ。

お父さんとの時間や、

お母さんとの時間を大切にしようって。
僕たちは大人になって、

やっぱり時間の大切さを知るんだ。
親が自分の子供との時間を大切に思うように、

子供も親との時間を大切に思うんだ。

それは時間が経てば経つほどに。
きっと手を繋ぐ番は僕たちになるんだ。
僕はそれをちょっと寂しく感じ、

少し楽しみでもある。

きっとあの女の子もそんな時が来るんだろう。
人生の時間は魔法のよう。

かけがえのないものを僕たちに教えてくれるのだ。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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