自分の気持ちを汲んでもらう。

 

よく自分の気持ちがわからなくなる時があります。

何がそんなに不安なのか?何がそんなに悲しいのか?
その気持ちの理由がわからない程に混乱してしまったり、

色々な気持ちが心の中で混じりあうと、

何が心の中で起きているのか、

自分ではよくわからなくなってしまう時があります。
そんな時は、自分を客観的に見てもらうトレーニングが役立ちます。

 

自分の状態がわからない時というのは、

自分の様々な気持ちを主観的に体験し、

その気持ちに巻き込まれている状態とも言えます。
ですから主観的に感じている気持ちから少し距離を取り、

自分を客観視する取り組みが大切なのです。

先日もカウンセリングをしている時に、

なぜこんなに不安なのか、

なぜ会社にまたいけなくなってしまったのか、

その理由が自分ではよくわからなくなってしまった方がいました。
ただ話を聞いていると、

少し悲しいような表情と、

落ち着かないような表情や、

少し顔が固まるような表情から、

恐怖感なども出ているように見えました。
客観的にみると色々な気持ちが出ています。

でもご本人はそれには気付いていません。
そこで、自分を癒す取り組みも大切ですが、

まずは自分の気持ちを整理する取り組みとして、

自分を客観的に捉えてもらって、

その気持ちを整理するところから始めました。

今回はエンプティ・チェアというゲシュタルト療法の技法を用いて、

不安な場面をイメージしてもらいつつ、

不安を強く感じている自分を空き椅子に座っているとイメージしてもらいました。
そこで次のように問いかけて、

自分をイメージしてもらいました。
「そのご自分は、どのように見えますか?」

「どんな表情をしていますか?」

「そのご自分を見ているとどう感じますか?」

と質問をしていきました。
すると、

「自分じゃないみたいな気がする。別人見たい。」

と答えてくれました。

「どのように別人みたいですか?」と伺うと、

「表情も違うし、ふさぎ込んでいて元気もない。」

という言葉が出てきました。
そこで、こんなことを聞いてみました。
「彼に何があったんでしょう?」

「彼はどんな気持ちを抱えているでしょうか?」
そのようなことを質問しながら、

自分の気持ちを客観的に見ていただいて、

自分の気持ちを汲み取ってもらいました。

すると、不安や悔しさ、自責感など様々な気持ちが出てきました。
少し自分と距離を取るだけでも、

案外に自分の気持ちが分かってくるものなのです。

そんなやり取りの中で、

その方が自分の心の奥にある気持ちに気づくような表情をしました。

 

その時に、「今何に気づきましたか?」と声を掛けたところ…

「あ…。今気づいたんですけど、怖かったんだな…って…。」

そう言葉にしながら、その目には涙を貯めていました。

 

僕たちは、自分の心に何が起きているのか。

そういったことに悩みを抱えていると気づきにくくなります。
そんな時は、少し自分と距離を置いてみる。

そんな取り組みを通して、まずは自分の気持ちを整理していくことから始めることが大切なのです。

野川  仁
・元引きこもりの心理カウンセラー
・JCA カウンセリング・傾聴スクール 講師 
・(一社)日本心理カウンセリング協会 代表理事
現在は、都内のクリニックでカウンセリングも行っている。

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